COOHEM/セレクト理由/春ニットのススメ

 大学生時代、僕が大阪にまだ住んでいた頃。買い物といえばそれは大阪ばかりでしたが、たまには京都や神戸なんかにも足を運んだものです。

 そんなある時神戸のセレクトショップを見て回っていると、一際目を引くニットを見つけました。それが僕とCOOHEMとの最初の出会いです。8〜9年ほど前になりますね。

 そうこれ、”NORDIC KNIT P/O”。
 ノルディックニット・・・なのはすぐに分かるのですが、なんですかこの表情の豊かさは。
 当時古着小僧だった僕に衝撃が走ったのを今でも鮮明に覚えています。(ちなみにこれはウール、ナイロン、コットン、ポリなど様々な色や質感の糸をミックスして編み上げているのです。)

 こんな素敵なニットを作るブランドがあるのか。当時はその程度にしか思っていませんでした。

COOHEMとは

 COOHEM(コーヘン)は「交編(こうへん)」に由来する造語で、山形県の老舗ニットメーカー米富繊維株式会社のファクトリーブランド。
 高度な解析を要するプログラミングと、色や素材を照らし合わせて組み合わせるクリエイションの融合。そして経験と技術を兼ね備えたベテランと豊かな感性を備えた若手、それぞれが融合して挑む新しいモノづくり。
 すべての工程が一箇所で完結する希少なファクトリーから、オリジナリティが極めて高いスタンダードアイテムを創り出し、日本のモノづくりカルチャーを世界に向けて発信しています。

ファクトリーブランド?

 後日改めて調べてみると、なんとCOOHEMは米富繊維株式会社のファクトリーブランドだというではありませんか。

山形の様子。
写真は米富繊維株式会社HP(https://www.yonetomi.co.jp/history/)よりお借りしました。

 ファクトリーブランドって質実剛健で、品質が良いのに値段が安く、またベーシックなアイテムを作っている。今でこそ、この定義に当てはまらないブランドが増えていることを認識しておりますが、当時はそんなイメージだったのです。

 誤解を恐れずに言うと米富繊維株式会社はファクトリーブランドでありながらちゃんとファッションしてる。単にデザインが効いているというだけの話ではなく、デザイナーブランドに引けを取らないオーラを持っている。
 先に述べた通りCOOHEMは「交編」から来ており、その語の意味は2種類以上の違った種類の糸を使用して編むこと。天然繊維同士、天然繊維と化学繊維との組み合わせなど多様な編み方を包括して指します。

米富繊維株式会社HP(https://www.yonetomi.co.jp/textile/)より。

 そしてこれは単に文字通りの意味だけでなく、様々な人々との関わり、もっと言えば人の価値観同士の交わりの中で生まれるプロダクトも指すと理解しています。

 それを糸自体のオリジナリティだったり縫製だったり、老舗ファクトリーがこれまで培ってきた技術が支えている。それこそCOOHEMがCOOHEMたらしめる秘密であり、僕がCOOHEMのプロダクトにワクワクしてしまう理由なのでした。

「他社に先駆ける」「常識にとらわれずに追求する」精神性を継承しつつ、歴史と伝統にあぐらをかくことなく、表現方法を模索し続ける。創業者の大江良一はこう記している。「ニットとは何か?を考えることが問われている」。

米富繊維株式会社(https://www.yonetomi.co.jp/manufacturing/)より。

 質の高さは前提として、気分の上がるプロダクトで毎日を楽しく過ごす。そのためにCOOHEMは無くてはならないブランドなのです。

春ニットのススメ

 話は変わりますが、浜松にお店を出して約1年半。分かってきたことがあります。
 皆さん、あんまりニットって着ないようなのです。

 理由としては主なものは以下の2点。

1.手入れが面倒だから

2.いつ着て良いか分からないから

 確かにスウェットの方が楽だし、ニットは着なくても比較的温暖な浜松の気候では問題なく過ごせてしまいます。また、春夏のニットっていつ着るの?なんて質問も・・・。

米富繊維株式会社(https://www.yonetomi.co.jp/yarn/)より。

 こればっかりは着てみて好きにならない限り分からない話なのですが、ひとつ持論としていることは服好きはニット好きが多いということです。理由は以下の3点。

1.四季をより楽しめるから

2.コーディネートに深みが出るから

3.手間をかけた分愛着がわくから

 寒い時期はウールやカシミヤ、暖かくなってきたらコットンやシルク。天然の繊維は体温や湿気の調整をしてくれますし、Tシャツを着るより暖かく(涼しく)感じられます。特に微妙な気温の調整には持ってこい。
 また、やっぱりニットを着るだけで上品に見えたりこなれて見えたりします。いつものスタイリングのバリエーションが増えます。
 確かにお手入れには気を遣うけれども、着用によりニットがふわっとしてくる変化や時には毛玉すらも愛らしく思えます。

 まずはこれからの季節のニット、楽しんでみませんか。
 お手入れ等で分からないことは聞いてください。精一杯サポートいたします。

オススメとコーディネート例

▶︎COTTON SILK SWEAT KNIT P/O ¥38,500-

 目を引くシルエットはチャンピオンのリバースウィーブ。それを、ニットで完全再現して作成されました。
 素材には、オーガニックコットンとシルクのオリジナルミックス糸を使用。元々柔らかな素材をあえて極限まで度詰めして編むことで、ニットらしからぬハリと硬さを実現しています。
 一方で素材の持つしっとりとした質感により、一般的なスウェットとは一線を画す上質さを醸し出しています。
 シルクの持つ光沢感により自然な杢感が表現されているところもお見事です。

 スウェットよりも軽く上品で、もちろんご自宅でお洗濯も可能なので通年重宝してくれますよ。

▶︎ニット COOHEM COTTON SILK SWEAT KNIT P/O ¥38,500-
▶︎スカーフ A PIECE OF chic Silk Scarf(TRANSPORTATION) ¥19,800-
▶︎デニム HATSKI Straight Denim ¥19,800-
▶︎シューズ SANDERS MILITARY DERBY SHOE ¥50,600-
▶︎バッグ STYLE CRAFT GT-01(S) ¥59,400-

 まずやりたいのはシンプルにデニムと合わせること。定番アメカジな組み合わせですが、やっぱりどこか上品に落ち着きます。
 より雰囲気を洗練させるために首元にはシルクスカーフ、バッグとシューズはレザーでまとめて。

▶︎COTTON SILK SWEAT KNIT P/O ¥38,500-

  ネイビーもございます。シルク糸の光沢がより分かりやすいです。

▶︎COTTON SILK VINTAGE KNIT P/O ¥38,500-

 ヴィンテージのニットをモチーフに、ややローゲージにざっくりと編まれた通年快適に着用可能なニット。
 その名の通り素材はシルク×コットンなのですがなんとシルクが83%も入る極上生地!ガシガシしてそうに見えますが触ってみるともちっとした質感が癖になる素材感です。

 シルクは肌触りの良さはもちろんのこと、吸湿性・保温性・放湿性に優れているので冬は暖かく夏は涼しいという四季に寄り添う素材。冬に静電気が起きにくいのも特徴的です。
 もちろんご自宅でお洗濯もできますので、即戦力で暖かく着て頂き、季節が進めばサマーセーターのように着用頂けます。

▶︎ジャケット ANOTHER 20th CENTURY River Runs Hooded – ripstop ¥39,600-
▶︎ニット COOHEM COTTON SILK VINTAGE KNIT P/O ¥38,500-
▶︎パンツ OUTIL PANTALON BLESLE ¥35,200-
▶︎シューズ MOONSTAR MUD GUARD ¥16,500-

 メインで着るのも良いですが、発色の良さを生かしてインナーでも◎。
 アナザーのコットンリップストップのジャケットにニットは相性抜群で、重宝するかと思います。
 パンツには安心安定の軍ぱんを。色合いで遊んでみましょう。

▶︎COTTON SILK VINTAGE KNIT P/O ¥38,500-

 お色違いでイエローもございます。これも良い色〜。

▶︎GIMA COTTON KNIT P/O ¥28,600-

 ラフに着て雰囲気の良いスキッパータイプのプルオーバーニット。
 まず目を引くのはその配色です。ボディの色と衿元の色が切り替えになっておりその組み合わせにセンスを感じざるを得ません。
 全体のシルエット、生地感はさることながらこういう点にCOOHEMの魅力を感じます。

 素材はオーガニックコットンとポリエステルを撚糸したオリジナルの糸を使用しています。
 サラリとしたドライタッチな質感で春夏秋には特に気持ち良い着心地です。
 ポリエステルの嫌な肌当たりは全くなくコットン比率が多いので経年変化も期待できます。

 こちらもご自宅でのお洗濯が可能。是非さらっと着てみてください。

▶︎ニット COOHEM GIMA COTTON KNIT P/O ¥28,600-
▶︎Tシャツ MITTAN suvin半袖平面T ¥7,700-
▶︎ショートパンツ MITTAN 亜麻苧麻ショート ¥20,900-
▶︎シューズ SANDERS MILITARY DERBY SHOE ¥50,600-
▶︎ソックス ORGANIC GARDEN ヤク リブソックス ¥2,090-

 程よくゆとりのあるシルエットに袖の溜まり具合など、間違いなくショートパンツと相性抜群。
 MITTANの麻のショーツと合わせて、色合いでも遊んでみました。
 カジュアルな組み合わせの場合、足元はレザーシューズがやっぱり落ち着きます。

▶︎GIMA COTTON KNIT P/O ¥28,600-

 ベージュもナイスな配色で。

▶︎DRY COTTON STRIPE KNIT S/T ¥26,400-

 秋冬はカシミヤ素材でリリースされたシャツ型のニットカーディガン。
 今シーズンはコットン100%でギマ加工を施してます。

 ギマ=擬麻。簡単に言うと麻に似た風合いにする加工で、コットン糸にコーティングを施す可能です。
 その通り麻のようなドライタッチな質感で春はもちろん真夏でもさらりと心地良い肌触り。ちょっと羽織るのに本当に丁度良いんです。
 もちろんご家庭でお洗濯可能でしてお洗濯を繰り返すと柔らかく経年変化します。

 そんなギマ加工綿と、実はもうひとつシルケットコットンの2種類を”交編”。よく見ると質感の違う糸が編み込まれています。
 非常に奥ゆかしい雰囲気で、単色ながらのっぺりしないのが良いですね。

 個人的にはニットカーディガンに衿がついたようなイメージでセレクトしていて、あくまでカーディガンとしてさらりと。
 もちろんシャツとして着用いただいても◎。通年なにかと着る機会が多い一着です。

▶︎ニット COOHEM DRY COTTON STRIPE KNIT S/T ¥26,400-
▶︎シャツ KIMURA 5needles/split raglan sleeve shirts ¥36,300-
▶︎パンツ ANOTHER 20th CENTURY Coal Miner Pants- denim ¥20,900-
▶︎シューズ ERA.×STOCK NO: MOCCASIN SHOES ¥59,400-
▶︎バッグ STYLE CRAFT OT-01(S) ¥70,400-

 デニムにシャツにカーディガン、いつの時代も普遍的なスタイリング。
 衿が付いたり編み地が独特だったり、COOHEMらしいスパイスは普段着をちょっとだけ楽しくしてくれます。
 そしてやっぱり春はレザーアイテムが欠かせません。

”春ニット”いかがでしょうか?

 今シーズンのオススメニット、いかがでしたでしょうか。
 ここ最近はまた気温が上がったり下がったり。ニットが本当に丁度良いんです。
 春の素材は通年重宝するだけでなく、お手入れも比較的簡単ですので挑戦しやすいかと思います。

 配色、編み地、シルエット・・・COOHEMらしさあふれる楽しい服が揃っていますので是非お試しくださいね。