−もうひとつの肌のような質感で、光に透かしても美しいのが特徴です。
MITTANブランドサイトより引用。
MITTANを代表する素材と言っても過言ではないカディコットン。間違いなく、誰もが一度は触れたことがあるコットンですが、おそらく、多くの方が触れたことがないであろうカディコットン。
『もうひとつの肌のような質感』。実際に触れて、身につけてみて、なるほどなと納得します。
カディコットンとは?
インドの西ベンガル州という地方でじっくりと手紡ぎ・手織りすることで作られる綿のこと。
機械で紡がれた糸と異なり、手で紡がれた糸は不均衡で「糸むら」が生じます。吸湿性や速乾性に優れ、春夏は風を通しやすいので涼しい、冬は温まった空気が層になって溜まるので暖かいという特徴があります。
季節による気候の変化が大きく、また湿気でじめじめしがちな日本にも最適な素材なんです。
超長綿・・・という言葉を聞いたことがあるかもしれません。希少で高級綿とされ、なめらかな肌触りと繊維の光沢が特徴とされます。
ある意味カディコットンはその対極のような特徴を持つのですが、だからと言って粗悪というわけではなく、超長綿にはない、ドライタッチでありながらしっとりとした質感が魅力的です。(コットンなのにまるで薄く起毛させたネルのような・・・こればっかりは触って頂かないと伝わりづらいかと思いますが。)
実際、コットンはできるだけ素肌に触れない方が快適とされますがカディコットンは素肌に着て気持ちが良い。もうひとつの肌、とは本当にうまく言い表しているなと思います。
経年変化も素晴らしく、着用を繰り返して柔らかく育ったカディは何にも替えられない程の心地良さがあります。
インドで生まれた背景
歴史を遡ると、インドはかつてイギリスの植民地でした。その時代、当然のようにイギリスから輸入された機械製綿製品を使っていたそうです。
当時のインド国産のものに対して、質は劣らずとも価格が安いイギリス製品。それが大量に流入したものだから、業界は大打撃を受けました。それまで綿生産に従事していたインドの人々は、廃業・失業により貧困のどん底に叩き落されたと言われています。
そんな時に『自分達が纏う衣服のための糸を、自らの手で紡ごう』と、かの有名なガンジーが声を上げました。そうして生まれたのがインドの手紡ぎ、手織り綿であるカディです。
このことにより、仕事の無かった何十万人もの人達が雇用の機会に恵まれることになったそうです。
時は流れ、カディと同じような素晴らしい布を機械でつくりたいという人々の思いが、後に欧州と世界に紡績機の発明や産業革命をもたらしたと言われており・・・、歴史とは面白いものですね。
さて、実際にそんなカディを使用した服がMITTANより入荷しておりますのでご紹介していきます。
カディシャツ
やはりまずはこちらから。中でも定番のカディシャツです。
デザインは「現代の民族服」というブランドのコンセプトにそって考えられています。
洋服の要素である衿やボタンはできるだけ小ぶりのものを使用して極力デザインを削ぎ落とし、機能性に基づいたパターンメイク。
シルエットもスタンダードなシルエットで、非常に着回しのきく一着。
季節の変わり目に、いかに快適に過ごせるか考え、MITTANが出した答えのようなシャツです。
▶︎MITTAN カディシャツ(ベンガラ染)[ベンガラ白] ¥26,400-
▶︎MITTAN カディシャツ(ベンガラ染)[松煙] ¥26,400-
▶︎MITTAN カディシャツ(草木濃染)[藍(濃)] ¥28,600-
カディワイドシャツ
身体とのゆとりを意識したシャツ。とは言え、一番上を開けたり、一つだけ留めたりすることで、羽織のようにも着用可能です。
袖口のカフスにはボタンが無くロールアップしやすい仕様になっている為、バランス感を調整しながら着用できます。
丸いデザインの衿元、長めの着丈で女性にも大変人気のあるアイテムです。
今回、草木染の藍(濃)以外は補強ステッチの入ったタイプでご用意しております。
▶︎MITTAN カディワイドシャツ 補強(ベンガラ染)[松煙] ¥27,500-
▶︎MITTAN カディワイドシャツ(草木濃染)[藍(濃)] ¥27,500-
※”黒”、ベンガラ染の”ベンガラ白”は完売しました。
半袖カディシャツ
身体とのゆとりを意識した半袖シャツ。とは言え、一番上を開けたり、一つだけ留めたりすることで、羽織のようにも着用可能です。
やや長めにとられた袖丈は、ロールアップしても良い雰囲気です。
こちらはつくり方にも特徴が。
カディの生地耳から生地耳まで全て利用して裁断をし、折り紙の様に畳んで縫製することでほぼ残布がでていません。
非常に平面的な構造で、着物のように多くの方の体型に自然に馴染みます。
決してルーズではないのですが、程よくゆとりを感じさせるフィット感です。
▶︎MITTAN 半袖カディシャツ(ベンガラ染)[ベンガラ白] ¥20,900-
▶︎MITTAN 半袖カディシャツ(ベンガラ染)[松煙] ¥20,900-
▶︎MITTAN 半袖カディシャツ(草木濃染)[藍(濃)] ¥23,100-
プルオーバー 小
シャツのようなプルオーバーのカットソー。
スプリットラグランスリーブと短めの丈感によって程よい運動量が確保されていて、洗濯を繰り返しても綺麗に立つ衿元が、Tシャツよりもきちんとした印象を与えてくれます。
ざっくりと着られて非常に楽。着丈はすっきりとしているので合わせるパンツも選びません。
▶︎MITTAN プルオーバー 小(ベンガラ染)[ベンガラ白] ¥19,800-
▶︎MITTAN プルオーバー 小(ベンガラ染)[松煙] ¥19,800-
カディに思いを馳せて服を着る
糸からつくり、手で織るような布は、当然目が揃っていることがなく、一反一反個性があります。
また、そういう布は最新技術との相性が悪く、結果として布の目をひろうようにして、繊維を切らないように手で針を刺して縫うほかありません。
その上、多くは農村部で作製されているため、短期間で大量のカディを作製するのは事実上難しいと言われています。
このように、本当に手間が掛かって生まれるのがカディコットンなのです。
そんなカディを使用したMITTANの服には、当然ながら素材の持つオーラを感じます。
糸一本から紡いでくれるインドの人々に感謝をしつつ、日本の気候に合ったカディの服を身に纏ってみませんか?