SANDERS/セレクト理由/MILITARY DERBY SHOE

 ここ数シーズンはスニーカーな気分でしたが、久しぶりに革靴が履きたくなってきました。
 ・・・とか言いながら実は、これまで好んで革靴を履いてきた訳ではありませんでした。理由は簡単で、革って最初かたくて足が痛くなるし、疲れるし、手入れも面倒だし。

 服屋を営む人間としてこんな事言って良いの?って感じですが(汗)、実際スニーカーを頻繁に履いているのは事実です。

 でもやっぱり、革靴には革靴の魅力がありますよね。単純にカッコいいし、経年変化も楽しい。手入れだってやってみると案外楽しい。
 そしてこの春は、なんだか革靴が履きたくて仕方ない「気分」になっているのです。(ファッションを楽しむ上で、この気分は大切にしていきたいところです。)

 さて、こんな僕でも機嫌良く履ける靴ってなんだろう。
 そう考えたら、やっぱりSANDERSなんじゃないかなーと思うんです。

SANDERSとは

 1873年にウィリアムとトーマス・サンダースの兄弟によって、イギリスのラシュデンにて設立されたブランド。以来、靴の聖地ノーサンプトンで140年以上の歴史を持つ老舗靴メーカーです。
 その質の高さから、世界中の警察、ミリタリー、及びセキュリティ用のシューズとして採用されています。

やっぱりSANDERSな理由

 ここ数年であまりにも有名になっている気がするSANDERS。「今更新規で取り扱うの?」なんて声が聞こえてきそうですが、やっぱりSANDERS、と結論に至った理由をお話させてください。

理由その1 歴史に裏付けられた信頼性

 先もご紹介した通り、SANDERSは靴の聖地と言われるイギリス・ノーサンプトンで140年以上の歴史を持つ老舗靴メーカー。

 創業以来グッドイヤーウェルト製法へこだわり、英国メーカーの中でも随一と言われる程。またパーツのほとんどに天然素材を使用しています。
 ・・・サンダースはロイヤルワラント(英国王室御用達)を授与されているだけでなく、エリザベス女王のクラウンを製品に刻印することを許されている数少ないブランドでもあります。誰もが知る世界的ファッションブランドへのOEM生産のほか、英国国防総省へも革靴を納入した実績も十分です。

 ちょっと調べたら山のように出るSANDERS社の情報ですが、これ改めて考えたらすごい事ですよね。靴の聖地イギリスの王室御用達って・・・。
 モノに溢れた現代において、これほど信頼できるブランドっていくつあるでしょうか。

 また、世界的ファッションブランドのOEMを手掛けている点も見逃せません。ただの伝統的なシューズ作りをしているだけのブランドではなく、最先端のトレンドを加味した靴づくりができるということなのです。

理由その2 トレンドに左右されない普遍性

 SANDERSの中でも、当店では定番として「MILITARY DERBY SHOE」、秋冬は「BRIT CHUKKA」をお取り扱いします。
 これらは非常に伝統的なデザインであり、カジュアルからちょっとしたジャケットスタイルまで守備範囲の広い靴なのです。

 アメリカンカジュアルだろうがフレンチカジュアルだろうが、トラッドだろうがノームコアだろうが、バッチリ合う安心感のある靴。
 いつの時代もクローゼットには必ず無くてはならない基本的な靴と言っても過言ではありません。

理由その3 日本の日常に寄り添う安心感

 濡れたコンクリートであったり、駅の構内、商業施設のフローリングなど、周りを見渡してみると滑りやすい環境が実は多い日本。
 また、バケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨も近頃多くなってますよね。

 SANDERSの靴は、基本的に雨や雪にも強く、またソールもグリップ力に優れているため滑りません。加えてお手入れも簡単。
 日本で普通に暮らしていく中で非常に重宝する靴なのです。

理由その4 高い耐久性

 後ほど詳しくご紹介しますが、例えば「MILITARY DERBY SHOE」であればソールに英国ITSHIDE社のコマンドソールが採用されています。耐久性が高いソールとして有名で、週3回程度の着用なら5年はソール交換不要と言われます。
 また、ソールの張り替えが可能なので長くご愛用頂けます。

 「BRIT CHUKKA」は特殊な製法のため、オールソール交換は不可ですが、部分的なラバーの補修や継ぎ足しは可能。
 やっぱり長くご愛用頂ける、質実剛健なシューズなのです。

MILITARY DERBY SHOE

▶︎SANDERS MILITARY DERBY SHOE ¥50,600-

 改めまして、MILITARY DERBY SHOEが入荷しておりますのでご紹介します。

 まず、サンダースのミリタリーコレクションとは。
 英国国防省(MOD)のオフィシャルサプライヤーであるサンダースが、以前収蔵していたミリタリーシューズのラスト(木型)を元に、日本限定で復刻させたクラシカルな雰囲気溢れるコレクションです。

 見た目はスタンダードな外羽根式のストレートチップ。
 使用している革はポリッシュドレザーと呼ばれる、カーフをガラス加工したもの。品のある綺麗な光沢が足元を引き締めてくれます。
 また革の表面を樹脂でコーティングしている為、雨や雪などが浸透することがありません。
 先も書きましたが、近頃多いゲリラ豪雨でも、アッパーの革から水が染みてくることは無く、防水スプレーも使う必要がないのです。

 ポリッシュドレザーは経年変化がよろしくないとしばしば言われます。確かに、コーティングされているため革自体の経年変化はあまり見られないのが正直なところです。
 しかしながら、これは非常に美しいシワが入ります。パッと見コードバンかと見間違えるほど。履き込む楽しみもしっかりとあるのです。

 普段のお手入れとしては馬毛のブラシでホコリを落とし、水に濡らしてかたく絞った布等で軽く拭くだけでOK。お手入れがとっても簡単なのも嬉しいポイントですよね。


 カーフ自体も、生後6か月以内の子牛の皮をなめしたもので、牛革の中でも最高級。キメが細かく、ツヤ感、質感など、カーフレザーならではの、しっとりとした手触りが魅力です。

 ステッチは3本でミリタリーらしい武骨な雰囲気も兼ね備えており、また程よくポテっとした丸さを感じさせるフォルムはオンオフ問わず重宝するデザインです。


 アウトソールには英国ITSHIDE社のコマンドソールを使用しており、ソールの張り替えができるので長くご愛用頂けます。
 そもそも耐久性が高いソールで有名で、週三回程度の着用なら5年はソール交換不要だそうな。

 またコマンドソールは、レザーソールに比べグリップ性・耐水性にも優れており、雨の日でも滑らずに安心して履く事ができます。
 加えてグッドイヤー・ウェルト製法で作り上げているので、履きはじめは堅い印象ですが、履いているうちに足裏の形をなぞるように中物が変形し、フィット感が高まるので長時間歩いていてもい疲れにくい。
 街歩きに優れているということでイギリス靴では定番で、わざわざこのタイプソールに取り換える方もいるほどです。

 個人的にこれもアツいポイントなのですが、オリーブの替え紐が付属します。
 よりミリタリーシューズらしさが感じられてカッコいいですよね。

 そしてこれだけ精巧に作られているにも関わらず、お手頃な価格。7〜8万円はしてもおかしくない作りの良さです。
 その秘密は、イギリス国防省(MOD)向けに供給されるイギリス製のレザーシューズのほとんどがサンダース製で、ファクトリーの約50%をその製造ラインとして割り当てているから。
 その為、自社コレクションに関してはノーサンプトンの他社メーカーと同じような製法や天然素材を使用しても製造コストが抑えられ、コストパフォーマンスに優れた伝統的な「MADE IN ENGLAND」のシューズを製造できるのです。

 うん、美しいです。
 今回入荷したのはUK5〜UK8のメンズサイズですが、近日中にUK3〜UK4のレディースサイズも入荷予定です。
 しっかりサイズ揃えて展開しているお店は少ないと思いますので、是非お試しだけでもご来店くださいね。

この春はレザーシューズを楽しもう

 元々革靴がお好きな方は今更何を、という感じかもしれませんが、そういう方でも納得して頂けるクォリティのシューズ。実際お持ちの方も多いと思います。

 まだ試したことがない方は是非お試しください。こんなに作りが良くて楽な革靴そうそうありませんし、何よりコーディネートの幅がグッと広がって楽しいですよ。