僕は大学卒業後、とある化粧品会社に新卒で入社しました(約8ヶ月で退職しましたが・・・)。
その際、上司に教えて頂いた話の中に、下記の話があります。
「『0から1にする人』、『1から10にする人』、『10から100にする人』、自分がどの役割かを意識して行動すると良いぞ。」
ビジネスの世界ではよく言われるこの言葉、社会に出て約6年、ようやく腑に落ちるようになってきました。
それぞれの役割が一人でできてしまうスーパーマンも中にはいますが、人間誰しも得手不得手があります。その役割が一番偉いか、という話がしたいのではなくて、ANOTHER 20th CENTURYというブランドは限りなく『0から1にする人』なんだろうな(と、勝手に思っている)、という話です。
ANOTHER 20th CENTURYとは
20世紀という時代が終わってもう十数年、人類にとっては激動の世紀(じだい)だったと言える。文明の上でも大きな躍進を遂げ、人類は月にまで到着した。今ここにある「ファッション」というもののほとんどがそこから生まれたといっても過言じゃない。その計り知れないパワーをそのままにレプリカでもない、ヴィンテージでもない、もう一つの20世紀を想像して洋服をつくろうと思う。
ブランド公式ページより引用。
Hi Story
モノづくりのスタートは、まずストーリーから。
何もないところから、架空の20世紀を想像し、服や雑貨を作ってしまうのです。
逆に言えば、出来上がったモノには必然的にストーリーが存在します。
アナザーにとってストーリーとは、よく聞く「生産背景が・・・」とか「素材が・・・」とかではなく、架空の物語。短い小説のようなイメージです。
しかしながら、素材や生産背景にも一切の妥協がないのがアナザーの素晴らしいところ。これからの時代、デザイナーズブランドはきっと、ストーリーだけ、素材だけ、生産背景だけ、じゃダメなのです。
Bio Koch Jacket
例えば、今季の新作「Bio Koch Jacket」のHi Storyは以下の通りです。
オーガニック先進国ドイツ、その歴史は100年とも言われている。
そんなドイツはベルリンのbioマーケット街にお店を構えて60年になるレストラン「benns」。
その食に対する意識の高さは秀逸で、食材や味へのこだわりはもちろんのこと、盛り付けの美しさから店構えまで。夫婦二人ではじめた小さなお店でしたが、そのすべてのスタイルが世界中にお手本として今に受け継がれています。今でも店の奥にはオープン当初の若い夫婦の写真が飾られています。二人が着ているユニフォームシャツがみんなの憧れであることは言うまでもありません。
※Hi STORYはフィクションであり、登場する人物や団体名等はすべて架空のものです。
▶︎ANOTHER 20th CENTURY Bio Koch Jacket “fawn”
ある部分は本当だったり、ある部分は作り話だったり。Hi Storyを読んでいるだけでも色々な想像ができますよね。
はい、そんなこんなでBio Koch JacketはHi Storyの通り、いわゆるコックジャケットのカタチ。
コックジャケットなだけあって、狭めのボタン配置が特徴的なダブルブレスト仕様です。
ボタンをダブルでかけたり、センターをずらしても。着回し方は自由自在です。
ボタンをずらしてつけることで身幅が広くなり、シルエットがゆったりします。
寒くなってきたらセーターを重ねて着ることも可能で着こなしの幅が大変広いことも魅力的です。
もちろん、ただ羽織るだけでも。
素材はコットン×ナイロン。風合いの良いシャリ感が特徴的で、シャツジャケットと言うに相応しく、秋口、春先に軽く羽織るのに丁度良い肉感の作品です。
襟元も寝かせたり立たせたりすることが可能で、これだけでも印象が変わります。
こういう細かな部分までしっかり作り込まれているのです。
ラウンドした裾に、空環(からかん)・・・。
重ね着が楽しくなる絶妙な着丈・・・。
あまり使うことはないかもしれませんが、ハンガーループも。
クラシックなディティールもしっかり踏襲しているところも見逃せないポイント。オーセンティックな雰囲気を作り、服好きの気分を盛り上げてくれます。
▶︎ジャケット ANOTHER 20th CENTURY Bio Koch Jacket “fawn”
▶︎シャツ MITTAN 岡崎木綿シャツ 補強(ベンガラ染め)”ベンガラ白” ※完売しました。
▶︎パンツ HATSKI Wide Tapered Denim Used ”Blue”
▶︎シューズ MOONSTAR GYM CLASSIC C ”BLACK”
お陰様でサイズ3のみになりましたが、お色違いで”charcoal”もございます。
1から10にする人、になる
何もないところから新たなストーリーを想像して、実際にモノをつくる。
ANOTHER 20th CENTURYは紛れもなく『0から1にする人』であり、デザイナーズブランドの見本のような存在です。
一言でデザイナーズブランド、と言っても、weac.しかり、N.O.UNしかり、ANOTHER 20th CENTURYしかり、様々なタイプがあるように思います。
しかし、「真摯にモノづくりに取り組んでいる」という点においてはどのブランドも共通しています。
僕たちセレクトショップの役割は、こういうブランドを見つけてはお客様に丁寧にご紹介し、知って頂く。ブランド様がつくり出してくれた『1』を、『10』にするのが役割だと自負しています。
皆様におかれましては、直感で構いませんので良いと思った服は手にとって、試着なさってみてください。買う買わないはその後で構いません。
きっと日常をちょっとだけドキドキ、ワクワクさせてくれる、素敵な出会いがそこにありますよ。