SAINT JAMES/OUESSANTの縮みと経年変化

 SAINT JAMES(セントジェームス)のOUESSANT(ウエッソン)。個人的にも、またファッション的にも当店になくてはならないアイテムです。

 ※セントジェームスについてはこちらも是非ご覧ください。
  →SAINT JAMES/セレクト理由/OUESSANT SOLID

 そんなウエッソンを熱心にご紹介していると、店頭でもメールやお電話等でも、たくさんお問い合わせ頂くのがお洗濯による縮みについて。
 そこで今回、長年(と言ってもまだ8年ほどですが)ウエッソンを愛用してきた僕が、実際に経験してきた縮みを含む経年変化についてお伝えします。

予備知識

 まずは予備知識として、製品タグに表記されているフランス規格のサイズについてご説明します。

 ウエッソンをはじめとするセントジェームスの定番バスクシャツは、フランスで採用されているサイズ規格により、T(仏語でサイズを表す「TAILLE」の略)と一桁数字が組み合わされた、ユニセックス(男女兼用)の表記になっています。

 数字が大きくなるほどサイズも大きくなり、日本代理店正規品のウエッソンはT0(レディースS)、T1(レディースM)、T3(レディースL・メンズXS)、T4(メンズS〜M)、T5(メンズM〜L)、T6(メンズL〜XL)、T7(メンズXL〜XXL)までの展開です。
 ※ちなみにT2サイズは女性向けサイズと男性向けサイズの狭間で需要が低いとの理由で作られておりません。

洗濯条件

 通常のお洗濯のみ。
 お洗濯の方法は、液体洗剤+柔軟剤を使用し、家庭用ドラム式洗濯機でのお洗濯のあと天日干しで乾燥させております。(原則、乾燥機は使用しておりません。)

 ちなみに手洗いは洗剤残りによる脱色の可能性があるため、ブランド側も推奨しておりません。
 なお、各ご家庭の洗濯状況や着用頻度等により経年変化に差異は生じますので、あくまで目安としてご覧くださいませ。

先に結論

◯色、サイズに関わらず、お洗濯により確実に縮む。

◯色によって新品(未洗い)の状態でも個体差がある。

◯色によって縮み具合が異なる。

◯長年愛用していくと色の抜けが生じる。

 それでは、具体的に見ていきましょう!

8年愛用のECRU/MARINE

上:約8年愛用の私物、下:新品。

▶︎SAINT JAMES OUESSANT BORDER ”ECRU/MARINE”[生成り/マリン]

 大学2年の頃、大阪のとあるセレクトショップで購入した”ECRU/MARINE(生成り/マリン)”。セントジェームスと言えば、このカラーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

 約8年程愛用しておりますが、まだまだ現役。色抜けが激しいのと首元がいよいよ破れてきたので、そろそろ買い替えかなと思ってはいますが・・・。
 これはこれでヴィンテージ感あって良いですよね。

 新品(未洗い)と重ねてみました。なお、以下出てくるウエッソンは全てサイズT4です。(身長170cm、体重50kgでサイズ4を愛用中。)

 まず着丈は約5cm縮んでいます。

 次に袖丈は約6cmの縮み。

 ついでに身幅は片側約1.5cmの縮み。

 どちらも計測してみると、以下の通りです。

 新品・・・肩幅約48cm、身幅約51cm、着丈約68cm、袖丈約55.5cm
 私物・・・肩幅約45.5cm、身幅約48cm、着丈約63cm、袖丈約50cm

 私物のウエッソンの中でも長年、かなりの頻度着用しておりますし、かなりの回数お洗濯もしているため大きな縮みが出ていました。

4年愛用のGRIS

上:約4年愛用の私物、下:新品。

▶︎SAINT JAMES OUESSANT SOLID ”GRIS”[杢グレー]

 非常にシンプルな杢グレー。定番ですが、春めいてきて特に人気のあるお色です。
 上記の”ECRU/MARINE”ほどではありませんが、やや色が抜けているのがお分かり頂けるかと思います。

 着丈は約6.5cmの縮み。

 袖丈は約5cmの縮み。

 身幅は片側約1cmの縮み。

 どちらも計測してみると、以下の通りです。

 新品・・・肩幅約46cm、身幅約49cm、着丈約68cm、袖丈約56cm
 私物・・・肩幅約45cm、身幅約47.5cm、着丈約62cm、袖丈約51cm

 着用年数は”ECRU/MARNE”よりも短いにも関わらず、同じぐらい縮んでおります。加えて、新品の状態で比較しても”ECRU/MARNE”より少し小さいのが分かります。

4年愛用のECRU

上:約4年愛用の私物、下:新品。

▶︎SAINT JAMES OUESSANT SOLID ”ECRU”[生成り]

 こちらも”GRIS”同様、約4年愛用しています。やはり色は抜け、真っ白でもなく生成りでもない独特の雰囲気に。この色とても着やすいのでオススメです。

 着丈は約3cmの縮み。

 袖丈は約2.5cmの縮み。
 身幅はほぼ変わらなかったので省略します。

 どちらも計測してみると、以下の通りです。

 新品・・・肩幅約48cm、身幅約51cm、着丈約67cm、袖丈約53.5cm
 私物・・・肩幅約48cm、身幅約51cm、着丈約64cm、袖丈約51cm

 これまでの2色と比較すると、縮み幅が小さいことが分かります。特に”GRIS”とは着用年数、着用頻度、洗濯回数に大きな差はないはずなのですが、縮み幅は小さいです。

まとめ

◯色、サイズに関わらず、お洗濯により確実に縮む。
 大きく縮みが出るのは最初の2〜3回ですが、長い年月着れば着るほど、お洗濯を繰り返すほど、縮みが出ていることが分かります。
 今回の計測では、肩幅・身幅はそれほど大きく縮みませんが、着丈・袖丈が最低2cmは縮んでおりました。 

 なお、永遠に縮み続けるということはなく、ある程度(約3〜5cm)縮んだのを境に落ち着きます。

◯色によって新品(未洗い)の状態でも個体差がある。
 展開している様々なカラーリングに使われる、それぞれの染料と生地の違いで、そもそも未洗いの状態でも実寸で1cm前後の個体差が生じてしまいます。
 今回の検証では、同じウエッソンの無地でも”ECRU”と”GRIS”では未洗いの状態で測定値に差異が見られました。また、今回は測定値を掲載しておりませんが、同じ色同士でも若干の個体差が生じています。

◯色によって縮み具合が異なる。
 引き続き上記の理由により、洗濯後の縮み幅にも数cmの個体差が生じてしまいます。経験上、濃い色の方がより大きく縮む印象です。(これはセントジェームスに限った話ではありませんが・・・。)

 「縮みが発生しづらい染料を使えば良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、環境への配慮が背景にはあるそうです。と言うのも、フランスでは製品の製造工程で発生する環境破壊物質への対策が厳しく、セントジェームスでも環境に優しい染料を採用しています。
 つまり環境問題に配慮しているために、縮みが発生しづらい染料は使えない、という実情もあるようです。

◯長年愛用していくと色の抜けが生じる。
 写真を見て頂ければ一目瞭然ですが、どんなお色も必ず色の抜けが生じます。ヨーロッパの衣服に使用される水が影響しているとも言われるのですが、その色の抜け方がまた絶妙に雰囲気が良く、セントジェームスの魅力の一つになっています。

自分らしくセントジェームスを楽しもう!

 上述の通り、ウエッソンはお洗濯により確実に縮みます。それが何cmなのかは、お色やお洗濯環境によって変わってしまいますが、どのように着ていきたいのか?を考えてその着方ができるサイズの少し大きめを選ぶと間違いないでしょう。

 どのように着ていきたいのか?とは、例えばインナー使いしたいのでジャストサイズで・・・や、シャツをインナーに重ね着をしたいので少しゆとりのあるサイズで・・・など。
 初めてウエッソンをご検討頂く場合には、不安もあるかと思います。どうぞお気軽にご相談くださいね。

 たかがカットソーかもしれませんが、セントジェームスのウエッソンにはフランスの文化やモノづくりへの誇りが詰まっています。自分らしく着こなして、自分だけの一枚に育てていきましょう。

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