Sashiki/セレクト理由/RABBIT HAT

 思えば、帽子はこれまであまり被ってこなかったんです。
 ただ、アイテムとしては好きで、大して被りもしないのによく買ってはインテリア的に眺めて楽しむことが多かった。

 帽子はもちろん、色々な分野の服を見て、着てきました。そんな服や服飾雑貨を通じてたくさん感動して、失敗して、今のスタイルがあるわけですが(もちろんこれからも変わっていくのでしょうが)、今大切にしたいなと心から思うのは、デザイナーさんや職人さんたちが、どういう思いでモノづくりをしているかということです。

Sashikiとは

 神奈川県・茅ヶ崎市のアトリエ兼帽子店『Sashiki』。素材から仕立て、縫製まで行い、丁寧に帽子を製作しています。

 自身が帽子をかぶるより、「帽子のある佇まい」に魅かれるという代表の佐敷さん。
 どちらかというとファッションよりも、道具のような感触のものに惹かれるそうです。雑貨クラフト的な少し軽い要素と、テーラー仕立ての重厚さが混じりあったような感覚のもの。

 帽子はメインではないがコーディネートをより一層引き立てるモノと捉え、上品で大人な帽子を仕立てます。

RABBIT HAT

 Sashikiの帽子と言えば、夏のイメージをお持ちの方が多いかもしれません。もちろんそれはそれで素晴らしく、当店でもバッチリ展開予定なのですが、今季はラビットハットがオススメです。

▶︎Sashiki RABBIT HAT ¥30,800-

 パリの一流のテーラーが仕立てた・・・と言っても信じそうな上品な仕上がりですが、加えてどこか柔らかさを感じます。
 被らずとも、この佇まいで「ああ、Maiden Voyageには佐敷さんの作る帽子が必要だ」と再認識できるんです。

 今回セレクトしたのは、名前の通りラビットファー素材の、ツバが短めのタイプ。
 フェルト(獣毛を縮絨させ布状にしたもの)の中でも高級素材であるラビットファーですが、Sashikiのは起毛感の少ないものを使用しており、帽子作りにおいては特に貴重で上質なんだそうです。

 ツバが短いのでカジュアルに被りやすく、久しぶりに被る、あるいは初めて被るといった方でも挑戦しやすいと思います。

 そうそう、リボンも控えめなデザインなのでもちろんユニセックス。サイズも58、59と2サイズご用意しております。
 同色、細めのテープがまた上品で良いですよね。

 頭皮に触れる部分のトリムは、レザーが巻かれた本格派の作り。
 ちなみに修理の対応も素晴らしく、トリム部分の交換はもちろん、リボンの交換や生地のダメージなどもできる限り修理を受けてくださいます。

 長く使えることって当たり前のようで実はとてもすごいことです。

 被るとこんな感じ。普段のコーディネートが一気に上品になりますが、嫌らしさが出ないのがSashikiの帽子のすごいところ。

 帽子作りにおける細かなバランス感覚はきっと佐敷さんにしか分からないことだと思いますが、この重厚感と柔らかさの両立は、佐敷さんだからこその雰囲気だと思います。

 こういう人の手で作られるものは、良くも悪くもその為人が出てしまうもの。物腰柔らかな、丁寧な女性・・・であることはもちろん、自分の軸を持ってブレずにモノ作りを続ける佐敷さんの帽子は、僕の考える当たり前の普段着になくてはならないものなのです。

 高級感あるボックスが付いているところも良いですよね。
 使う人のことをとことん考えているし、長い年月使って頂くことを前提としたモノ作り。

 ちなみにお色は先にご紹介したBROWNと、BLACKでご用意しています。しっくりくるお色をお選びください。

 帽子というものはその場で似合う・似合わないという話ではなく、着用を経てその人に馴染んでいくものだと思います。
 被るか被らないか、はひとまず置いておいて、挑戦してみると案外悪くないものです。置いておくだけでも絵になりますし(笑)。

 今年の秋冬はハット、良いですよ。